ポリプロピレン(PP)を材質にしたメッキ治具を旋盤加工で製作
制作データ
- ■加工の種類
- 旋盤加工、マシニング加工、ボール盤
- ■材質
- ポリプロピレン
- ■材質の特長
- 機械的強度、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性
- ■使用用途
- メッキ治具
- ■業界
- メッキ関係
- ■地域
- 兵庫県
- ■製品サイズ
- 82Φ×50L(厚み)
- ■数量
- 3個
ポリプロピレン(PP)とは
ポリプロピレンは、PPとも呼ばれているプラスチック素材です。非常に軽い素材であることから、パッケージデザインの素材としてもよく使用されています。ほかにも使用範囲は幅広く、日常で見かける製品にも使用されています。
たとえば、家電製品、文房具、自動車用のパーツ、おもちゃ、スポーツ用品などにも。また、プラスチック成形だけでなく、速乾性という特長から繊維素材として使用されており、衣類やオムツなどにも使われています。さらに、薄く加工できるという特性からフィルムやシートとしても使用されるなど、極めて加工性の高いプラスチックと言えるでしょう。
ポリプロピレン(PP)の長所は、優れた機械的特性です。引張強度・衝撃強度・圧縮強度といった機械的強度、耐摩耗性に優れています。耐熱性にも優れており、電子レンジにも耐えることができます。
耐薬品性にも優れ、酸、アルカリ、沸騰水、鉱物油など、多くの薬品に耐えることができます。これらの多彩な特長をもつため、射出成形・押出成形・真空成形・圧空成形・ブロー成形など、抜群の成形性を誇ります。
いっぽう、ポリプロピレン(PP)の短所は、耐候性が悪く、日光にあたると白くなってしまうところにあります。また、接着加工には向いていない表面特性をもっています。
ポリプロピレン(PP)の加工の工程
今回の製品は、食品関係の機械に使われる治具です。ポリプロピレン(PP)は、食品関係のような衛生的に注意が必要なシーンでも使えます。
1、旋盤加工
製品の形状が丸いため、まずは旋盤で加工します。円柱の形状に成形し、中心の穴や側面の溝も旋盤で加工を施しました。
2、マシニング加工
製品の中心の穴のまわりに小さな穴が3つあるのですが、その3つの穴をマシニングで加工しました。マシニングでも穴をあけることは可能です。
3、ボール盤でタップを立てる
最後に、中心の穴にネジを入れる加工を、ボール盤で行いました。以上の加工の後に、検査をして出荷という流れになります。
加工上の注意点
今回は、“丸い製品”かつ“穴をあける加工が必要”というものでした。丸の状態の製品に穴をあける際、穴の位置がずれやすいため注意しなければいけません。タッチセンサーを使い数字を打ち込み、穴の位置を正確に加工するために、慎重に作業しました。