MCナイロンの樹脂加工で通路板を製作(大阪のお客様)
制作データ
- ■加工の種類
- 切削加工
- ■材質
- MCナイロン
- ■材質の特長
- 機械的強度、耐磨耗性
- ■使用用途
- 通路板
- ■業界
- ベアリング関係の機械
- ■地域
- 大阪府堺市
- ■製品サイズ
- 厚み14mm×幅84mm×長さ221.5mm
- ■数量
- 1個
今回は、堺市(大阪)のお客様よりご依頼をいただいた、MCナイロンの樹脂加工の事例をご紹介します。
MCナイロンとは
MCナイロン樹脂は、機械的強度や耐磨耗性などに優れたエンジニアプラスチック(エンプラ)の一つです。主原料ナイロンモノマーを大気圧下で重合・成型することでナイロンの特性を向上させた樹脂であり、様々な工業用途で使用されるエンジニアリングプラスチックの中で最も汎用的な材質です。
また、表面硬度が大きく、磨耗係数が小さいことから耐薬品性や自己潤滑性があります。油や有機溶剤に対して優れた耐性を誇ります。さらに、添加剤を配合することにより、潤滑性、導電性、抗菌性を強化することもできます。
主な用途は、歯車、軸受け、戸車、パイプ、衣料品、合成繊維、耐摩耗用品などになります。軸受けや修道部品など、ある程度の機械的強度を要する場合や、潤滑油を嫌う用途におすすめです。エンジニアリングプラスチック(エンプラ)としては、幅広い用途に使える材料だといえます。
しかし、吸水性が大きいため、寸法の変化が大きいというデメリットもあります。また、吸水することにより若干の粘りが出てしまい、加工性が落ちてしまうという場合もあります。
カッティングセンターで樹脂加工
今回加工させていただいたのは、MCナイロンを材質にしたベアリング関係の通路板です。厚み14mm×幅84mm×長さ221.5mmの製品を、カッティングセンターという機械を使って切削加工を施しました。カッティングセンターとは、材料をテーブルに吸着させ、加工する機械のことです。
厚みのうすい製品や少し大きめの製品は、マシニング加工のバイスではさみにくいため、今回のような製品を加工する際はカッティングセンターを使用します。特に、MCナイロンという樹脂なので、マシニングのバイスではさんでしまうと変形してしまいます。カッティングセンターなら、うすい製品でも形状が変わる心配はありません。
テーパー加工や寸法公差に注意
加工の注意点は、テーパー加工と寸法です。斜めに加工する所や、公差が入っている所など、いただいた図面通りの形状になるよう注意を払いました。加工の工程は、材料の準備→切削加工→バリ取り→検査という流れで行いました。
ギアとしての用途にも最適
MCナイロンは、ギアの材質としてもよく使われています。耐熱性・耐摩耗性・耐薬品性などに優れているためです。鉄だと錆びるような部分や、滑ったり傷がつくことを避けたい製品に適しています。
プラスチック加工・樹脂加工は1つから製作可能
クリエイトでは、今回のMCナイロン加工のように1個からでも製作可能です。試作品の製作や、もちろん量産のお仕事にも対応しています。一つひとつ丁寧に仕上げ、精度の高いプラスチック加工・樹脂加工を実現しています。少量から量産まで個数に関わらず、お気軽にご相談くださいませ。