プラスチックが反らないよう注意してマシニング加工 塩ビ(グレー)
制作データ
- ■加工の種類
- 切削加工(ルーター、マシニング)、ボール盤、ヘリサート加工
- ■材質
- 塩ビ(グレー)
- ■材質の特長
- 機械的安全性、耐薬品性、接着性、印刷性など
- ■使用用途
- 当板
- ■業界
- ベアリング関係の機械
- ■地域
- 大阪府富田林市
- ■製品サイズ
- 12mm×42mm×100mm
- ■数量
- 1個
塩ビを薄く削るプラスチック加工
長年お付き合いいただいている大阪府富田林市のお客様より、グレーの塩ビを材質にしたプラスチック加工のご依頼がありました。
製品の名称は「当板」といって、ベアリング関係の機械に用いられる部品です。12mm×42mm×100mmのサイズのものを1個加工させていただきました。2週間の納期をいただき、無事納品を完了しています。
塩ビが反り返らないよう、一回の切削量を減らす
加工の工程は、以下のとおり行いました。
- 製品のサイズより少し大きめにとった塩ビをルーターで切削
- 段差になっている部分をマシニングで切削
- ボール盤で穴をあける
- ヘリサートを入れる
- 検査
- 出荷
今回の加工のポイントは、製品の段差になっている部分です。
長さが100mmある板に対して、最終的に厚みを5mmに仕上げなければいけません。板切りの延長でルーターのまま加工してしまうと、製品が熱を帯び、切削したあとに板が反り返ってしまいます。
そこで、この部分だけマシニングのバイスではさんで加工。通常よりも一回で削る量を減らし、徐々に削っていき、製品になるべく熱をかけないことで反りを防いでいます。また、製品に切削油をかけ加工箇所を冷却しながら加工することで、製品の熱変形を防止しています。
マシニングでの加工のあとは、ボール盤で穴を2ヵ所あけます。そこにヘリサートを入れて完成です。
いろんな加工に役立つ切削油
ちなみに切削油とは、加工点を潤滑・冷却することにより、加工精度や表面粗さを向上させ、工具の磨耗を抑制するために使うものです。 また、切り屑を加工工具や被削材から洗い流し、切り屑の堆積による加工不良の発生を抑えたり、加工時に発生する熱による加工対象の熱変形の防止にも役立ちます。
製品を冷却するために、マシニングでは切削油を使用しますが、ルーターではエアーをかけながら加工しています。
また、たとえば鉄工所などでの鉄加工の分野では、必ずといっていいほど切削油を使っていると思います。要するに、刃物や加工製品にかなりの熱がかかるため、ルーター加工のようにエアーで冷めるレベルではないためです。
また、旋盤加工の際にも、ドリルで深穴をあける時などは切削油を使用します。もちろん、どんな材質にも切削油をかけられるというわけではありません。フェノール樹脂(ベークライト)などには使えない場合もあります。