ボール盤とエンドミルで、プラスチックを穴あけ加工

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制作データ

■加工の種類
マシニング加工、ボール盤
■材質
MCナイロン
■材質の特長
耐摩耗性、自己潤滑性、耐久性、高剛性、汎用性
■使用用途
ストッパ
  
■業界
ベアリング関係の機械
■地域
大阪府富田林市
■製品サイズ
28mm×75mm×210mm
■数量
1個

大阪府富田林市のお客様より、MCナイロンのプラスチック加工のご依頼をいただきました。複雑な形状に加えて、穴あけ加工や寸法公差も入っています。

ボール盤で真ん中の2つの穴あけ

ボール盤を使って穴あけ加工をしたのは、真ん中に並んでいる二つの穴になります。そこにヘリサートのタップを立てて、ヘリサートを入れてネジ穴を加工しています。

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両端の長穴はエンドミルで穴あけ

両端にも穴あけ加工を施しています。この長丸の穴はマシニングで加工しています。マシニングの工具をロングのエンドミルに替え、刃を走らせています。

ちなみに、マシニングの工具をドリルにすることでも穴をあけることはできますが、今回のような長穴には適していません。ドリルは基本的に突くためだけに用い、製品の上から差し込むという感じで使用します。

複雑な形状のため、加工手順に工夫

製品が複雑な形状であるため、長方形のブロック型の加工をするよりも掴み方などの加工手順が大切です。どこから加工するかといった段取りが、スムーズな加工のために重要になります。

具体的にどんな手順にしたかというと、

  1. まずは、一番広い面積の表と裏を加工(長方形を加工するような感覚で)
  2. 製品を立てた状態で、出っ張った部分の不要箇所を切削加工

要するに、両サイドの出っ張ってる部分の加工は製品を立てないとできないため、あえて後まわしにするという加工手順を採用しました。

基本的には、材料を準備して→マシニングで表・裏を加工→製品を立てて両サイドの出っ張ってる部分を加工、といった流れになります。

長穴の加工などを含めて、四面加工になります。すべて、マシニングで加工しています。ちなみに真ん中のくぼみは、溝加工といって段差がついた加工になっており、これもマシニングで施しています。

溝加工のところに寸法公差

加工するうえで注意した点は、真ん中の溝になっているところの幅に寸法公差が入っていたことです。だんだん暑くなってくるにつれて、気温の上昇により寸法が変化し、樹脂的に寸法を出しにくい時期になってきています。

たとえば寸法は、コンマ代であれば伸び縮みはしてしまいます。このことも考えたうえで、多めに削っておくとか、控えめにしておくなどの調整が必要になります。今回の製品は、プラス公差の部分だったので、縮んだときのためにプラス目に削りました。

複雑な形状にも対応しています。

MCナイロンのマシニング加工なら、少量から量産まで個数に関わらず、お気軽にご相談くださいませ。