アクリル樹脂を磨りガラスのような表面にルーター加工

Photo_16-05-27-09-16-07.004

制作データ

■加工の種類
ルーター加工、ボール盤
■材質
アクリル樹脂
■材質の特長
耐侯性、耐衝撃性
■使用用途
ローディングシュート
  
■業界
プラスチック加工・樹脂加工
■地域
大阪府堺市
■製品サイズ
13mm×40mm×348mm
■数量
2個

アクリル樹脂加工のご依頼の概要

今回は、長細い形状のアクリル樹脂の加工事例をご紹介します。いつもお付き合いいただいている大阪府堺市の同業のお客様よりご依頼いただきました。

今回の加工製品は、リピートではありますが、毎回サイズ違いの形状でご依頼いただいています。今回のサイズは13mm×40mm×348mmでした。合計2個の製品を加工させていただきました。

アクリル樹脂は比較的割れやすい材質であるため、取り扱いには十分注意しなければいけません。また、アクリル樹脂は透明度が高く、美しい見た目のプラスチックであるため、傷をつけないようにきれいに仕上げることが求められます。

メインはルーター加工とボール盤で作業

加工の工程は、以下のような流れで行いました。

  1. 材料段取り【切り板】
  2. ルーター加工【機械加工】
  3. ボール盤【タップを立ててヘリサートを入れる】
  4. バリ取り【手仕上げ】
  5. 検品、梱包、出荷

切削はほぼすべてルーターで加工しました。ルーターでの加工を終えたあとに、ネジを付けるためにボール盤でタップを立てて、ヘリサートを入れています。ヘリサートを入れている箇所は、写真でいうと手前から2番目の両サイドの穴になります。そのほかの穴は、そのままにしています。

Photo_16-05-27-09-16-07.004

鏡面仕上げで曇りガラスのような仕上がりに

アクリル樹脂は、削ると白くなります。今回の製品は、あえて白く磨りガラスのように仕上げています。もっと透明に加工する場合は、「鏡面仕上げ」でガラスのようにピカピカに仕上げることも可能です。

ちなみに、鏡面仕上げの方法としては、以下の作業があげられます。

  • ペーパーで磨いて、コンパウンドで仕上げる
  • NC工作機械や専門の鏡面機を使用して磨き、仕上げる
  • バフで磨き、仕上げる

いずれにしても、アクリル板の鏡面仕上げには、手間と時間がかかります。

アクリル樹脂の種類

最後に、アクリル樹脂について少し豆知識を。もともと耐衝撃性や耐候性が強いアクリル樹脂ですが、さらに強化されたアクリル樹脂があるんです。

1、有機ガラス シリコーン配合

アクリル樹脂は、一般的に有機ガラスと呼ばれています。一般的なアクリル樹脂は耐久性や耐候性に優れていますが、無機ガラスに比べて表面に傷がつきやすいという短所も。そこで、シリコーンなどの化合物を表面に塗布することにより、傷つきやすさを軽減したのが有機ガラス シリコーン配合です。

2、ソフトアクリル

アクリル樹脂の分子にゴム成分を加えて作られたソフトアクリル。ゴムの持つ耐衝撃性を加えることで、通常のアクリル樹脂よりも耐衝撃性が向上しています。また、薄くて丈夫な素材としても知られています。

アクリル樹脂にもさまざまな種類があります。今回は、その中の代表的な2種をご紹介しました。

アクリル樹脂加工のご相談は、ぜひクリエイトにお気軽にお問い合わせください。