ブラウンスモーク塩ビの樹脂加工を実施
制作データ
- ■加工の種類
- ルーター加工
- ■材質
- ブラウンスモーク塩ビ
- ■材質の特長
- 機械的安全性、耐薬品性、接着性、印刷性など
- ■使用用途
- 潤滑タンクカバー
- ■業界
- ベアリング関係
- ■地域
- 大阪府富田林市
- ■製品サイズ
- 590mm×290mm×350mm
- ■数量
- 1個
長年お付き合いさせていただいている大阪府富田林市のお客様より、ブラウンスモーク塩ビのルーター加工のご依頼をいただきました。
ブラウンスモーク塩ビとは
塩ビとは、塩化ビニル樹脂の略称であり、一般的なプラスチックの1つです。機械との相性がよく安全。耐薬品性、耐久性、耐疲労性が強く、接着のしやすさや、印刷性にも優れています。一方で、低温時の衝撃強度が低く、常用耐熱温度がやや低いところが短所として挙げられます。
曲げ加工に適しているうえに、専用の接着剤があるので接着加工にも向いています。穴もあけやすく、かなり幅広いプラスチック加工が可能です。
たとえばジュラコンだと、溶接加工や接着加工をすることはほとんどありません。今回のようなカバーや、タンク、水槽などに樹脂加工され、比較的多く使われています。
そのほかの用途には、フィルム、シート、電線被覆材、ホース、チューブ、自動車内外装部材、硬い配管、平板、波板、雨樋などがあります。
また、ブラウンスモークは色の種類の一つです。塩ビにはさまざまな色があり、主にグレーと透明がよく使われている色になります。そうした中で今回のブラウンスモークは、弊社にとっても最近ではめずらしく、久々に取り扱うことができました。
ルーター加工による樹脂加工を採用
今回の製品はベアリング関連部品の潤滑タンクカバーになります。サイズは590mm×290mm×350mmです。納品した数量は1個。納期は約3週間いただきました。今回のプラスチック加工では、マシニングではなくルーター加工を採用しました。
ルーター加工とは、側面に刃のついたドリルのような円形のビットで基板端面をなぞるように切る加工方法のことです。マシニング加工が材料をはさんで切削するため、サイズの小さな製品に向いているのに対して、ルーター加工はサイズの大きな製品を加工するのに向いています。
機械にプログラミングしたデータを送ると、切削用の工具で自動的にプラスチック加工します。今回の数量は1個でしたが、この加工方法だと同じ加工のものを高い精度で数多く製作することができます。
塩ビに向いている接着加工
今回の曲げ加工では、Rの部分が50R(半径5cm)でしたが、規格のパイプで対応できたので比較的スムーズにできました。側板を接着する前にL字型の状態にするために、専用のヒーターで材質をやわらかくして曲げ加工を施しました。
曲げ加工の後に、側板をつけるための接着加工に進みます。
接着加工は、プラスチック加工としては決してメジャーなものではありません。しかし、なくなると困る加工です。なぜなら、複雑な加工や特殊な加工を可能にするからです。
塩ビパイプ同士の接着、塩ビパイプにABS樹脂の部品を接着、加工したアクリル板を使用したケースの組み立てなどに向いている加工であり、今回の製作には最適な加工といえます。
溶接加工も施しました
ほとんどの加工品が接着加工で目的を果たせますが、今回は接着の強度を増すために溶接加工を施しています。ちなみに現在、弊社で対応している素材は基本的には塩化ビニールとなっていますが、エンプラ・スーパーエンプラ素材にも対応しています。
切削加工から接着加工までワンストップで製作
弊社は、特殊な加工品の切削加工から接着加工を含む仕上げまで、一貫した製作を多く手掛けています。スムーズな製作により早い納期にも対応いたします。まずはお気軽にご相談くださいませ。