塩ビの溶接加工~一時貯水槽を大量製作②~

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制作データ

■加工の種類
溶接加工
■材質
塩ビ
■材質の特長
機械的安全性、耐薬品性、接着性、印刷性など
■使用用途
一時貯水槽
  
■製品サイズ
400mm×255mm×280mm
■数量
41台

前回にひきつづき、今回も塩ビの一時貯水槽の加工をレポートしていきたいと思います。前回では、塩ビの材料をパネルソーでカットし、カンナで面を整える工程をご紹介しました。

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ボール盤で塩ビ板に穴をあけ、接着で組み立て

パネルソーでカットした板に、ボール盤で穴をあけていきます。ボール盤とは、各種素材などに正確に穴あけるための工作機械のことです。

次に、板をハコ型に組み立てるために、専用の接着剤を用いて接着していきます。塩ビには専用の接着剤があるという点から、材質的に接着加工に向いているといえるでしょう。そのため、今回のような水槽にぴったり。そのほかにも、タンクやカバーなどの樹脂加工に多く使われています。穴もあけやすく、幅広いプラスチック加工に適した汎用性が高い材質です。

水が漏れないように、塩ビ製品を溶接加工で補強

板を接着で組み立てたら、次は溶接加工です。接着でハコ型の形状にした製品を、溶接することで仕上げていく工程になります。下の写真が、溶接加工が終わったところの写真です。

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溶接加工は、ホットガンでやります。プラスチックの棒を熱風で溶かして、くっつけていくイメージをしてもらえればいいと思います。同じ溶接加工でも、鉄の溶接とはまたちがいます。

また、今回の製品は、水を貯める一時貯水槽なので、接着加工だけではおそらく水漏れしてしまう可能性があります。そういったことがないように、溶接加工により補強するという目的があります。

絶対にミスのできない塩ビ溶接加工

創業当初から行っている手作業であるため、溶接の加工は慣れています。だから、加工するにあたり特別難しい点などはありません。

しかし、今回の製品は水を貯めるための一時貯水槽です。水を貯めるという以上、絶対に溶接加工において失敗することはできません。

また、オール透明の形状なので、外観に傷がつかないように、そして、透明の面が接着剤などで汚れないよう十分注意しながら加工しています。

弊社クリエイトが行う塩ビの溶接加工とは

溶接加工は、機械だけでは対応しきれない加工技術の一つです。現在、弊社で対応している主な材質は塩ビになります。プラスチックの溶接加工は、接着と並んであまり加工技術としては有名なものではありませんが、欠くことのできない技術だと考えています。

機械で加工するにはどうしても限界があり、どうしても手作業が必要になるケースがあります。今回がまさにそういう事例だといえるでしょう。接着加工だけでは不安で、もっと強く接着させたい、気密性を高めたい、という製品です。そういった加工品については溶接加工が必要です。現在のところ、弊社で対応している素材は基本的には塩化ビニールとなっていますが、エンプラ・スーパーエンプラ素材にも対応しています。

次回はいよいよ完成までの工程をご紹介!最後までお読みいただければ幸いです。→1つから製作可能な塩ビの切削加工・製作・溶接ならクリエイトにお任せ下さい